幼稚園児から小学校低学年くらいまでの子供が頭痛を訴えると、どのようにすれば良いのかパニックになる親御さんも多いです。
このような場合、どのように対処するのが正しい方法なのでしょうか?
今回は、小さな子供の頭痛にどのような特徴があるのか?頭痛になった時の対処法についてご紹介します。
子供の頭痛と大人の頭痛の違い
子供の頭痛と大人の頭痛は、同じようで違う点がいくつかあります。
どのような違いがあるのかご紹介しましょう。
子供の頭痛の特徴
子供の頭痛には次の3つの特徴があります。
子供の頭痛の特徴
- 頭痛の時間が比較的短い
- 頭の両側が痛くなる
- 吐き気や腹痛を伴う事が多い
子供の場合、様々な頭痛の症状が出るだけではなく、頭痛が治まると普段通りに戻るのが早いです。
頭痛の時間も短く、回復が早いので、頭痛だと嘘を付いていると思われる子供もいるようです。
大人と子供の経過の違い
大人と子供では、頭痛の場合、経過がどのように違うのでしょうか?
まず、大人の場合、頭痛の時間が長い為、頭痛が治まったとしても気分が良くなるまでに時間がかかるケースがほとんどです。
幼稚園児から小学校低学年までの子供の場合は経過が異なります。
頭痛がひどい時は、機嫌が悪くなるだけではなく、嘔吐や腹痛など激しい症状が出る場合もあるでしょう。しかし、頭痛が起こっている時間は短いです。
頭痛がしている時は大人しくしていますが、頭痛が治まると急に元気になる子供もいます。
元気になったからと言って、病気が治っていない場合もあるので、用心することが必要です。
大人と子供の経過の違い
- 子供は頭痛が起こっている時間が大人より短い
- 子供は頭痛が治まると急に元気になる
- 頭痛が治まっても病気が治っていないこともある
子供の頭痛の原因と種類
子供の頭痛の原因は、ストレスまたは病気の場合がほとんどです。
原因によって頭痛の種類も違ってきます。
子供の場合、大人と同じく頭痛の種類には一次性頭痛と二次性頭痛の2つがありますので確認しておきましょう。
一次性頭痛
- 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などの病気が原因でない頭痛のこと
- 子供の一次性頭痛のほとんどが、片頭痛と緊張型頭痛
- 片頭痛は体の片側だけが痛み、脈打つようなズキズキした痛み
- 幼稚園児から小学校低学年くらいまでの子の片頭痛は、頭のてっぺん、おでこ、頭の両側が痛いという場合もある
- 緊張型頭痛は、ズーンと重い痛みを感じる
- 緊張型頭痛の場合、後頭部あたりが痛いというケースも多い
二次性頭痛
- 何らかの病気によって引き起こされる頭痛のこと
- 子供が頭痛の症状を訴えるだけではなく、発熱状態になる
- 主な原因として、ウイルス性の病気であるケースが多い
- 主に疑われる病気には、ウイルスによる風邪、中耳炎、インフルエンザや髄膜炎、副鼻腔炎など
- その他甲状腺異常、脳腫瘍等の重い病気である可能性も考えられる
- 頭痛と発熱がある場合は、病気の可能性を考えて、すぐに病院へ行くことが肝要
二つの頭痛の大きな違いとしては、一次性頭痛の場合、熱がありませんが、二次性頭痛の場合、発熱が認められ病気である可能性も高くなるのです。
子供の頭痛の対処法
子供が頭痛で苦しんでいる場合、親はどのような対処法を行うのが正しいでしょうか?
こちらでは、例を挙げながらご紹介します。
病院へ行く?様子を見る?
まず、子供が頭痛になった場合、親御さんですぐに病院へ行くという人もいるのではないでしょうか?
確かに自分の子供が頭痛で苦しんでいる姿は見たくありませんが、頭が痛いという度に病院へ行っていたら、病院はパンク状態になってしまいます。
病院へ行くか様子を見るかは、発熱の有無で決められてください。
特に高熱が出ている場合は、すぐにでも病院へ行ってください。
微熱の場合でも、様子をみて、病院へ行った方が良い場合もありますので、よく観察しておくことが重要です。
熱が無い場合、頭痛だけなら様子を見るのも良いですが、何度も頭痛を訴えるようなら病気が隠れている場合もあります。
簡単に考えず早めに一度受診してください。
たまに頭痛がすると言っても軽い症状ですぐに元気になるようなら、しばらく様子を見ても良いかもしれません。
頭痛以外の症状がある場合
子供の頭痛で、頭痛以外の症状がある場合は、病院へ行った方がいい場合もあります。
例えば、頭痛に加えて嘔吐や下痢、腹痛などが強い場合は、すぐに病院に行ってください。
頭痛と腹痛だけの場合は、ストレス性の場合も多いので、様子を見ておくのも良いでしょう。
どこか頭を打ってたんこぶができ、頭痛がするという場合は、外傷性の脳内出血になっているケースもあるので頭を動かさず救急車を呼んだ方が良いです。
このように頭痛以外の症状も時と場合によって対処法が異なります。
自宅でできる緩和策
発熱などが無く、軽い症状ですぐに子供が元気になるような頭痛なら、自宅でできる緩和策を試してみるのも良いでしょう。
自宅でできる緩和策には次のようなものがあります。
- ゆっくり横になって休む
- 熱さましのシートなどをおでこに貼る
- 頭部やこめかみのマッサージをする
- 首から肩にかけてツボマッサージをする
- 子供がリラックスする音楽をかける
- おいしいおやつや温まる飲み物を出す
- 楽しい話題で明るい雰囲気にする
幼稚園児から小学校低学年までの子供でもストレスを感じると片頭痛や緊張型頭痛を起こすケースが増えています。
このような頭痛なら頭痛薬を飲ませるより、リラックスさせたり、子供が喜ぶことをすることでストレス発散したりすることによって、頭痛の症状が緩和される事も珍しくありません。
市販の頭痛薬は使ってもいいの?
大人になると少しぐらい頭痛がしても、頭痛薬を飲んで仕事をする事が多いですが、子供に頭痛薬を使ってもいいのでしょうか?
市販の頭痛薬の中には子供用もあります。
特に、発熱などが無く、片頭痛の症状がある子供には市販の頭痛薬が効くケースも多いです。
頭痛薬は常習すると頭痛の原因になる場合もあるので、子供の頭痛が起こるたびに飲ませるのではなく、常習性にならないよう気を付けてください。
心配な方は、一度、医師に確認してから市販の頭痛薬を子どもに飲ませるようにしましょう。
高熱が出ている場合は迷わず病院で治療を受けましょう
子供が頭痛の時、寝かせていたら短時間で高熱になっていたというケースも多いです。
子供が頭痛の場合、まず、熱を計る癖をつけましょう。
特に高熱が出ている場合は、すぐに病院へ行くことをおすすめします。
熱が38度以上なら高熱ですので、小児科や救急の病院を調べて受診してください。
病院は何科へ行くべきか
幼稚園児から小学校低学年までの子供が頭痛の場合、何科へ行くのか迷う場合もあります。
できれば、小児科が一番おすすめです。
ただし、地域や旅行先によっては小児科が無いという場合もあります。そのような場合は、内科で見てもらっても良いでしょう。
他にも総合病院などでは、小児頭痛外来がある場合もありますし、脳神経科や耳鼻科が良い場合もあります。
子供の頭痛が心配な場合は、症状が軽いと思っても繰り返すようなら一度病院へ相談に行くと安心です。